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研究所について

所在地 Location

元印刷工場を活用する試み

本研究所の事務所には元・大開印刷の事務所兼倉庫(大阪市此花区西九条5丁目)を活用する予定である。最寄りの西九条駅(JR環状線・阪神西大阪線)は大阪駅から3つめ、難波駅(大阪メトロ・近鉄・南海)から4つめと便利なところにある。同じ此花区に立地するテーマパーク・USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)への乗換駅なので、近年、若者たちの姿でにぎわい、独特の雰囲気を醸し出す。一方で、西九条駅の西側に広がる此花区梅香地区では、都心に比較的近い割に家賃が比較的安価なため、近年、若いクリエーターや芸術家らが集まり、事務所やアトリエを構えるようになってきた。「芸術家の集う注目エリア」として脚光を集め、アートプロジェクトも行われている。

キティ

元印刷工場の住所は此花区ではあるのだが、福島区との境界のそばにある。道路(北港通り)を超えると福島区大開(おおひらき)町である。戦前の大開町には町工場が立ち並んでいた。松下幸之助氏は1918年(大正7)、23歳のときに大開町の借家を借り、22歳の妻と15歳の義弟・井植歳男氏(三洋電機創業者)の3人で、「松下電気器具製造所」を創立した。同社はその後、大阪府門真市に移転。「松下電器産業」あるいは「パナソニック」として世界的な電器メーカーに成長していった。しかし幸之助氏は創業した大開町に愛着を持ち続け、終生、本籍を置いていた。

本研究所の事務所を置くことになる元印刷工場はかつて大開町で操業していた。「パナソニック」の前身である松下電気器具製作所の第一工場や幸之助氏の元本宅とは200メートルほどの近さだった。「工都」大阪の雰囲気や名残を今に伝える地域遺産である。

人口減少や工業の衰退に伴い、全国各地で空き家や空き工場が急増し、都心部を空洞化させた。どのように対応するかが喫緊の社会課題に浮上している。本研究所にとっても重要な研究テーマである。使われていない工場・倉庫という未利用空間を地域の遺産とみなして、非営利な研究団体の活動の場に再生する取り組みには今日的な意義がある。

文化と地域デザイン研究所

〒554-0012​

​大阪市此花区西九条5丁目3-10 元・大開印刷

※研究所に研究員は常駐していません。お立ち寄りの際は事前にご連絡ください。

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